バトルMC名鑑:韻マン

MCネーム 韻マン(いんまん)
本名
生年月日 2001年3月12日
Rep 大阪

主な戦績

  • 戦極スパーリング NHKヤングラップバトルへの道 優勝
  • 第9回阿修羅MCBATTLE 優勝

語感踏みのパイオニア

彼のことを語るには、まずは”語感踏み”について解説しなければいけない。

現在、一般的な意味での押韻というと、専ら言葉同士の母音を合わせることを指し、当サイトでもそれに則った韻の踏み方を解説している。

しかし、実際には母音を合わせなくても韻を踏むことは可能で、要は二つの言葉を言い比べたときに音が似通っていて違和感がなければ、実質的にそれは韻を踏んでいると言えるのだ。

この、母音を合わせずとも違和感がない言葉同士の押韻を、造語で”語感踏み”という。

語感踏みを構成する要素は、数多くあるためここでは紹介しきれないが、主だったものとして次の要素が挙げられる。

  • 部分的な母音の一致
  • 部分的な子音の一致
  • イントネーションの一致

部分的な母音の一致や子音踏みは、言葉の最初と最後の何文字かが一致しているときに、より強く音を似通わせる。

イントネーションの一致は、その言葉の通常のイントネーションが一致している場合には、そのままのイントネーションで発声されるが、それが一致していない場合には、一致させるように発声を工夫することも可能である。

そのため、イントネーションの一致が語感踏みにおいて最も大きな役割を担っていると考えられる。

 

例えばこちらの動画の最初のバトルにおける、次のライム。

 

00年式(ぜろぜろねんしき)
乾坤一擲(けんこんいってき)
経口補水液(けいこうほすいえき)
へのへのもへじ

 

まず、大前提として通常の押韻とは異なり、母音の大半が一致していないことを確認していただきたい。

その上で言葉の最初と最後を比較すると、最初は”e”の母音で始まり、最後は”i”の母音で終わっていることが分かる。

ここからさらに細部を見ていく。

  • ぜろぜろねんしき
  • けんこんいってき
  • けいこうほすいえき

これら三つについては、最後の文字に子音の一致が確認できる。さらに後半二つについては、最初の文字と最初から三音節目(”こ”)に子音の一致がみられ、最後の二文字(”てき”と”えき”)の母音が”ei”で一致している。

 

  • けんこんいってき
  • けいこうほすいえき
  • へのへのもへじ

これら三つについては、最後の二文字が”ei”の母音で一致している。

 

さらに、全体的に言葉の中間にあるいくつかの母音が一致しており、それらの音の位置が一致するように、韻マンがイントネーションを変化させていることが分かる。

このように、語感踏みは複数の要素で構成されており、前述した三つの要素以外にも、音を似通わせる要素は存在する。それらの要素が多ければ多いほど言葉同士の音が似通い、ある程度似通うとそれが語感踏みとなる。

つまり、通常の押韻のように「母音が一致しているから韻が踏めている」などという、明確な判断基準は存在しないのが特徴。そのため、これを努力のみで習得するのは非常に困難である。いくらボキャブラリーを増やそうとも、その言葉同士が語感踏みできるか否かを判定できるセンスがなくては、しらみつぶしに試行錯誤する他ないからである。

また、イントネーションを変化させることにより音を合わせるため、通常の押韻ではあり得ない文字数の大幅なズレが生じることも、その特徴の一つである。

 

さて、語感踏みの解説はほどほどに、そろそろ韻マンについての話を。

まず、韻マンの特徴は、その異常なまでのライミングスキルにある。通常の押韻もさることながら、やはり目を引くのが語感踏みである。母音を合わせなければならない通常の押韻には、ほとんど存在しない15文字前後の韻がぽんぽん飛び出てくる様は、聴いていて非常に気持ちがいい。

 

質問箱の回答によると、自身が考えた最長の韻が、”ユニバーサルスタジオジャパンジュラシックワールド”と”急性低音障害型感音難聴”だという。

文字数にして24文字、音節数18音節もの押韻である。

このような韻を、韻マンは日常的に考え、そこで面白い韻を見つけると一人喜びに浸るのだという。

ある一つのことに極端に傾倒するその様は、まさしくオタクであり、本人も自身が”韻オタク”であると公言している。

なお、面白い韻を見つけるとそれを書きとめてストックするが、お気に入りの韻については、公表せずに一人で楽しむというから面白い。

一般人でいうところの、”お気に入りのインディーズのアーティストに売れてほしくない”という考えと同じような感覚なのだろう。

 

バトルスタイル

韻マンのバトルスタイルは、相手の韻やラインを引用して、またはそこから連想される言葉で韻を返す、トップオブザヘッドのスタイルである。フリースタイルにおける基本的なスタイルではあるが、韻マンはそのクオリティが他とは段違いである。

韻の応酬において、彼が返せない韻は恐らく存在しない。それほどまでに、豊富なボキャブラリーとライミングスキルを持っているのだ。

時折、韻マンの即興のライミングに対して、「ネタ臭い」と言う人がいるが、トップオブザヘッドでハイクオリティなライミングが出来る韻マンに対しては、それは最大級の賛辞とも言える。

 

音源

韻マンは、同じくツイキャスラップを出自とする、Tok10(hohoreho)らなども所属するレーベル”SYOSHINSYA FARM”に所属しているが、恐らく現在(2018年11月14日)公開されている音源に彼が参加しているものはない。

ただ、「韻にこだわりすぎている音源は好きじゃない」という旨の発言をしているため、音源における韻マンはフリースタイルのそれとは、大きくスタイルが変わるものと思われる。

気になる方は、是非”SYOSHINSYA FARM”の今後の動向に注目していてほしい。

 

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